看護師の悩み・転職まとめ

看護師さんの様々な悩み(育児・スキル・人間関係・残業・恋愛)に対して、役に立つ情報をお届けします。

恋愛?いや、嫌がらせです!看護師ストーカー急増中との噂は本当か?

看護師ストーカーが増えている?

日刊SPAの記事(「看護師ストーカー」になってしまう患者たち)を読んで気になったので、ストーカー犯罪について調べてみました。

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看護師ストーカーとは

患者さんが、看護師さんに対してストーカー行為を行うという構図です。約10%ほどの看護師さんが、これまでに看護師ストーカーの被害にあったとの調査結果が出ています。

北里大学の和田耕治講師(公衆衛生学)らの調査によると、調査した220人の看護師のうち、患者のストーカー行為を経験した看護師は24人で、全体の11%が実際にストーカー被害に悩まされた経験があるとわかった。

引用元:「看護師ストーカー」になってしまう患者たち | 日刊SPA!

近年の看護師ストーカー事件

看護師さんがストーカーの被害者になった事件として、下記の2件をピックアップしました。
1件目は完全に好意に基づく看護師ストーカー事件、2件目は怨恨に基づくストーカー事件です。

2013/9/28【ストーカー事件】 女性看護師に一目ぼれ、つきまとった市立中教諭

千葉県警鴨川署は27日、同県鴨川市天津、館山市立第一中学校教諭石田雄久容疑者(51)をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

発表によると、石田容疑者は、県内に住む30歳代の女性看護師に対するつきまといをしないよう、県警から同法に基づく警告を受けていたのに、8月11 日~9月25日、自宅に繰り返し押しかけ、呼び鈴を鳴らすなどのストーカー行為をした疑い。石田容疑者は、女性が勤務する病院で見かけ、昨年8月からス トーカー行為を始め、女性から相談を受けた県警が昨年9月、石田容疑者に警告を出していた。

調べに対し、石田容疑者は「気持ちを抑えることができなかった」と供述しているという。

引用元:【ストーカー事件】 女性看護師に一目ぼれ、つきまとった市立中教諭|探偵プラス

2014年9月【毎日新聞】ストーカー事件、再犯どう防ぐ

14 年9月、東京都の男性医師(54)が、同じ病院に勤務していた女性看護師(40)へのストーカー行為で逮捕された。医師は罰金刑を受け約20日後に釈放さ れたが、釈放当日から看護師に何度も電話やメールをして連絡を求め、翌10月にストーカー規制法違反容疑で逮捕された。「女性が通報したせいで逮捕され、 職を失ったのに、女性だけが普通に生きていて腹が立った。謝罪してくれるかもしれないと期待して連絡した」。12月に東京地裁であった初公判で、医師はストーカー行為を繰り返した理由を説明した。

引用元:【毎日新聞】ストーカー事件、再犯どう防ぐ | ふらっと 人権情報ネットワーク

なぜ看護師ストーカーが起こるのか

人間、弱っている時に、人に優しくされてしまうと舞い上がってしまう傾向は誰にでもあると思います。それもその相手が、若くて美しい女性であればなおさらでしょう。

看護師ストーカーになりやすいケースは、病院で手術をして入院している患者さんが、優しく接してくれた看護師さんのことを好きになってしまうといったものです。

看護師に優しく看病されることを勘違いし、好意を寄せてしまうという話はよく聞きますし、モテない男性のほうが勘違いしてしまう傾向がある。

引用元:「看護師ストーカー」になってしまう患者たち | 日刊SPA! | ページ 2

看護師さんは患者さんに優しく接します。ただ、それは仕事の上での関係なのです。看護師さんは一人の人間として患者さんに好意があるから、優しく接しているのではありません。あくまで看護師という職業人として、弱っている病人や怪我人に対して、優しく看病しているに過ぎません。そして病気や怪我が治ったら、当然、患者と看護師の関係は終わります

問題は、患者さんの中には看護師さんの優しさを勘違いしてしまう人がいることです。そして病気や怪我が回復しても、その関係(自分に優しくしてくれる関係)が続くと期待してしまうわけです。

看護師ストーカーにあわないためには

看護師ストーカーは、患者さんの勘違いによって発生します。
ですので、患者さんに看護師さんが個人的な好意を持っていると勘違いさせないように振る舞うことが重要です。

「患者さんに対して、誰にでもいい顔をする、負の感情があっても笑顔が絶えない、優柔不断でハッキリしない、こうした性格の看護師さんは気をつけてほしい。たとえ患者さんでも、されて嫌なことはハッキリ断る意思表示が大切で、まずは自分の身の安全のためにも、しっかりと一線を引く態度を取り、その上で患者に寄り添うこと。職場以外では患者さんとの関わりを持たないのが原則です」

引用元:「看護師ストーカー」になってしまう患者たち | 日刊SPA! | ページ 3

看護師さんが優しい面だけ見せていると、勘違いしてつけあがる患者さんがいます。ですので、仕事として真剣に取り組んでいるということを態度でもって示し、変な要求をされた場合には毅然とした態度ではっきり断る。ただ、後のコミュニケーションに禍根を残さないためにも、きちんとフォローはしておきましょう。

とはいっても、なかなか新人看護師のうちは患者さんのあしらいは難しいと思いますので、先輩がどのようにあしらっているのか、など注意深く観察してみるのがいいと思います。

皆さん、くれぐれも看護師ストーカーには気をつけてくださいね。

ストーカー全体について調べてみた

看護師ストーカーの記事を書いていてふと思ったのが、現在のストーカー問題はどうなっているかということ。全体のストーカーの件数は増えているのか、どんなタイプのストーカーが増えているかなど、色々調べたことをまとめてみます。

ストーカーの定義

ストーキング(英:stalking)とは、特定の人につきまとうことを言う。そして、ストーカー(英:stalker)とは、つきまといをする人のことを指している。

<中略>

人を執拗に追跡したり、それによって相手を悩ませたり怖がらせる人がいる、ということが社会的に知られるようになり、犯罪行為である、違法である、ということが明確化されるにつれ、「stalking」や「stalker」がそういう犯罪行為や犯罪者を指すためにも用いられるようになったわけである。

引用元:Wikipedia

皆さん、既にご存知だと思いますが、ストーカー行為は犯罪です。もし現在進行形でストーカー行為をされている方(上記の定義を見て「俺そうかも・・・」と思う方)がいましたら、お願いですから即刻やめてください

ストーカーの線引きは非常に難しいのですが、ポイントは相手が嫌がっているか、そうでないかとなります。「情熱的な人」「ちょっとしつこい人」という合法ラインと「ストーカー」という非合法ラインの分かれ目は、追いかけている相手の捉え方次第となります。

また、今日の社会ではリアル(現実)でのストーカー行為も問題ですが、インターネット上(SNSやメール・Line)などのやり取りも、ストーカー行為の対象となる可能性があります。リアルでないからストーカーではないのです。インターネット上の人間関係であっても、相手が嫌がったらストーカー行為になりうると理解したほうがいいでしょう。

参考:SNSもストーカー規制法の対象に 自公案まとまる:朝日新聞デジタル

ストーカー犯罪は増えているの?

ズバリ結論から言うと、ここ数年でストーカー犯罪はめちゃくちゃ増えています
他の犯罪行為と比べどれくらい増えているか、時系列で見ていくのがわかりやすいので、早速見ていきましょう。

ストーカー犯罪の検挙件数の推移

下のグラフは警察庁の犯罪検挙件数の平成23~27年の推移です。

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引用元:https://www.npa.go.jp/safetylife/index.htm

SP用のグラフは↓です。
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はい。犯罪検挙数でストーカー犯罪はダントツの1位です。

殺人といったハードコアな犯罪の件数が少ないのは当たり前とはいえ、脅迫・住居侵入・傷害の犯罪四天王(今、名づけました)の中でも、平成25年度以降に著しい伸びを見せたこともあって、今ではストーカー犯罪はぶっちぎりの1位の座を確固たるものとしています。

またストーカー犯罪は、元々検挙件数が多かったことに加え、平成23年から比べると平成27年で3倍以上となっています。平成26年にストーカー犯罪の検挙件数が増えているのは、平成25年7月に「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、電子メールへの規制が強化されたことが関係していると思われます。

1 電子メールを送信する行為の規制

被害者から拒まれたにもかかわらず、連続して電子メールを送信する行為が、新たにストーカー規制法の規制対象とされました。

引用元:「共同参画」2013年 9月号 | 内閣府男女共同参画局

また、前にも述べましたが、今後SNSもストーカー犯罪の対象となった場合、さらに増えていくことが予測されます。

ストーカー犯罪の相談件数の推移

上記のグラフは、あくまで犯罪の検挙件数をベースとした統計で、検挙(逮捕)できなかったものは含まれません。実際にストーカー行為が増えているかの実態の把握は、警察の窓口に寄せられた相談件数で見えてきます。

下のグラフは、警察庁のストーカーの相談件数の平成21年~27年度までの推移となります。

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平成21~22年度 引用元:https://www.npa.go.jp/syokai/soumu2/pdf/05-1.pdf
平成23~27年度 引用元:https://www.npa.go.jp/safetylife/index.htm

SP用のグラフは↓です。

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はい。ストーカーの相談件数も、めっちゃ増えていますね。

平成21~23年度のストーカー相談件数は、年間15,000~16,000件と比較的低水準でした。平成24年度から約20,000件の水準となり、平成25年度以降は21,000~23,000件の非常に高い水準を維持しています。これは検挙件数のところでも述べましたが、平成25年度以降は、電子メールの規制強化の影響によるところが大きいと思われます。

また、男性・女性別に相談件数を集計してみて知ったのですが、ストーカーの被害に合っている方のうち、10人に1人が男性というのは意外でしたね。個人的には男女の相談件数の比率は3:7ぐらいと思っていましたので。

ただ、これはあくまで警察の窓口に相談しにきた人(顕在層)の数であって、ストーカー行為の全発生件数ではありません。当然、警察に相談せず、一人で我慢している人(潜在層)も大勢いるはずです。ストーカー行為で苦しんでいる人はもっと多いと思っておいたほうがよいでしょう。

ストーカーの被害者と加害者

ストーカーの被害者の年齢

ストーカーの被害者ですが、どのような人達が狙われやすい・被害者になりやすいのでしょうか。

下のグラフは、平成21~27年度に警察にストーカーの相談をしにきた被害者の年齢の推移です。左軸に年代別の折れ線グラフの相談件数、右軸に棒グラフの全体の相談件数となっています。

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SP用のグラフは↓です。

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ストーカーの被害者の年齢ですが、圧倒的に20代が狙われる傾向にあります。また平成21年度から平成27年度まで一貫して、20代・30代・40代の方がストーカー被害にあいやすいという傾向も変わりません。平成27年度のデータでは、被害者の約60%が20~30代の方、第3位の40代まで含めると被害者の約80%にものぼります。

※「密接関係者」とは特定の者と社会生活において密接な関係を有する者(友人、勤務先上司等)をいう。

ストーカーの加害者の年齢

続けて、ストーカーの加害者ですが、被害者と同様に年齢の傾向を見ていきましょう。

下のグラフは、平成21~27年度の警察にストーカーの相談をしにきた人が申告した加害者の年齢の推移です(と思われます)。

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SP用のグラフは↓です。

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加害者の約半分をおっさん(約45%を30~40代)が占めています
平成25年度から40代男性が大きくシェアを伸ばしているのが特徴です。

また、ストーカー加害者で注目すべきポイントは、年齢不詳の人の割合が一定数いることです。直接姿を見せない間接的なストーカーもいますし、職場の同僚とかある程度親しい人でない限り、加害者の正確な年齢はわかりませんからね。

統計から見えてくる加害者と被害者の傾向

ストーカー被害者・加害者の同一世代別のシェア比較

平成27年度のストーカー加害者と被害者の年齢分布をグラフにまとめました。構成の内訳がどう違うのか、わかりやすいように並べましたので、ご覧ください。

※集計の関係上、加害者の年齢不詳の2,930人を10~70代の割合に応じて再度振り分けています。

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年代被害者H27加害者H27差分
10歳代 2,043 990 -1,053
20歳代 7,519 4,707 -2,812
30歳代 5,674 5,952 278
40歳代 3,851 5,258 1,407
50歳代 1,516 2,609 1,093
60歳代 558 1,742 1,184
70歳以上 214 710 496
年齢不詳 23   -23
密接関係者 570   -570
合計 21,968 21,968 0

差分の列は、加害者数ー被害者数の同年代における差分となります。被害者の合計数21,968人と加害者の合計数21,968人がイコールなので、1被害者=1加害者の関係が成立していると考えられます。

例えば、20歳代の-2,812人の差分は、20歳代の被害者に比べて、20歳代の加害者が少ない。つまり、この差分に関しては、別の世代(10代・30代以降)が加害者として存在すると推測できます。

次に被害者は女性が9割加害者は男性が9割ということを念頭に入れて、次のグラフを見てください。

ストーカー被害者・加害者の同一世代別の総数比較

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SP用のグラフは↓です。

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年代別で見た際に、まず目に付くのが被害者の女性が20代に集中しているところでしょう。また10代・20代に関しては、女性の被害者>男性の加害者を上回る(①)という関係から、それは30代以降の男性が10代・20代の女性に対しストーカー行為をしているということに他なりません。

それ以外にも、50歳以上(50~70代)の層が加害者だと約20%(②)を占めているのに対し、被害者では約10%と差が出ているところも注目すべきポイントでしょう。

なぜストーカー加害者は自分よりも若い世代を狙うのか

一般的に男性は若い女性が好きと言われています。色々と理由は考えられるのですが、統計データを探してみたところExcite婚活のデータが参考になったので、集計してみました。恋愛というよりも婚活のデータではありますが、かなり興味深いデータだと思います。

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引用元:幸せな結婚7つの法則関連-ルール7|まじめな婚活サイト-エキサイト 婚活

表の味方ですが、下記となります。

・左の縦軸:男性の年齢

・右の横軸:女性の年齢

・赤枠の階段状のセル:同一年齢を意味する。
 例:一番左上の赤枠は20歳の男性と20歳の女性の交差する点になっています

・黄色セル:男性・女性ともに両想いゾーン(男性と女性の年齢の希望が一致)

・薄緑色のセル:男性の片想いゾーン(男性の希望する女性の年齢)
 例:例えば22歳の男性ですと20歳~25歳の女性を希望していることになります
・●のセル:女性の片想いゾーン(女性の希望する男性の年齢)
 例:22歳の女性は23歳~27歳の男性を希望していることになります

また、Excite婚活のデータによると、これらの希望年齢のデータは、その性別・年齢の人の60%以上が希望しているものを対象としているとのことです。

SP用のグラフは↓です。
・男性の希望年齢グラフ

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・女性の希望年齢グラフ

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男性が結婚で希望する女性の年齢の傾向

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SP用のグラフは↓です。

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男性はとにかく自分より若い女性を希望する傾向が顕著です。

・20代:自分の年齢を上限として、それよりも若い女性

・30代:20代後半の女性から30代前半の女性

・40代:20代後半から30代の女性

ただ、男性は30代になっても20代の女性を希望するのに対し、20代の女性は30代の男性を希望していないことは明白です。

しかし、そのような傾向があるにも関わらず、30代後半・40代前半でも20代後半の女性を希望する男性が多いようで、30代から両想いゾーンが減少し、40代では見事なまでに両想いゾーンがなくなってしまっています

女性が結婚で希望する男性の年齢の傾向

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SP用のグラフは↓です。

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女性は、自分の年齢を軸・基点に、希望する男性の年齢を決める傾向にあるようです。

・20代:自分と同年代もしくはやや上の男性(男性の年齢の上限は32歳)

・30代:自分の年齢+-3歳(女性が35歳の場合、男性は32歳~38歳)

・40代:自分の年齢よりも5歳~10歳若い男性も視野に

男性と女性の結婚相手への希望年齢をまとめると

20代女性と両想いになれる可能性が高いのは、20代後半の男性ぐらいです。どんなに頑張っても、かろうじて32歳の男性が28~29歳の女性と両想いになれるかといったところでしょう。ですので、男性が33歳を超えている場合、20代の女性と両想いになる可能性はほとんど無理ゲーです。

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お願いですから、諦めてください。

ストーカー被害者と加害者の関係は

ストーカーの被害者と加害者の関係ですが、どのような人間関係においてストーカー行為が発生するのか・しやすいのかを見ていきましょう。

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まず、全体の約半分(平成27年で49.6%)を占めるのが交際相手(元交際相手含む)です。これに配偶者(内縁・元含む)の7.7%を加えると、約6割近くのストーカー被害は一度深い男女の関係になって発生していることがわかります。これらを復縁的ストーカーと呼ぶことにします。

復縁的ストーカーの定義:
一度、被害者と交際・同居・結婚などの深い人間関係となったことがあり現在の関係を維持もしくは過去の関係を修復するために、被害者が嫌がっているにも関わらず、ストーカー行為を繰り返す加害者のこと

また、友人・知人や勤務先の同僚といった関係も多く、リアルでそれなりに親しい or 接触する(せざるを得ない)人間関係が成立していることがストーカー行為の前提条件になります。

この中で注目すべきは、その他(5.1%)です。割合にしてみると5.1%と数自体は少ないのですが、今回の看護師ストーカー急増の話をするにあたって、非常に重要なポイントになります。

注)「その他」は、近隣居住者、客と従業員、医者・看護師と患者、教師と生徒 等

引用元:https://www.npa.go.jp/syokai/soumu2/pdf/05-1.pdf

そうなんです。「その他」には、仕事上の客と従業員という関係が含まれています。ですので、看護師ストーカーが増えているかを検証するにあたって、この「その他」の数が増えているかを調べる必要があります

その他のストーカー相談件数は増えているのか

次のグラフは、ストーカー相談における加害者との関係の平成21~27年の推移です。

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SP用のグラフは↓です

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右軸に値を取った折れ線グラフが「その他」だけを抽出したものですが、たしかに「その他」の件数は増えていますね

ただ、全体のストーカーの相談件数自体も増えているので、次は「その他」のシェアが増えているかを見に行きます

「その他」のシェアの推移

グラフを加工して、「その他」のみを抽出しました。
全体のストーカー件数に対する「その他」の割合を右軸の折れ線グラフに、左軸には「その他」の総数を積み立て棒グラフで表現しています。

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SP用のグラフは↓です

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件数・シェアともに伸びていることから看護師ストーカーは増えている可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

ストーカー行為の動機について

では、なぜ彼らは女性に対してストーカー行為をするのでしょうか。彼らをストーカー行為に駆り立てる理由・動機について見ていきたいと思います。次のグラフは、ストーカー行為の動機の平成21~27年度の統計データとなります。

右軸の折れ線グラフは、(A)好意の感情と(B)好意が満たされず怨恨の感情の合計をシェアにしたものです。

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SP用のグラフは↓です

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ストーカー加害者は被害者のことを好き or 好きなのに振り向いてくれないことを恨みに思って行為に及ぶ、折れ線グラフで9割を占めているこれが、ほとんどのストーカー行為の動機と見て間違いないでしょう。

ストーカーの加害者が行う行為とは

ストーカー加害者の動機がわかったところで、次は加害者が実際にどのような行動に出るのか、見ていきましょう。次のグラフは加害者のストーカー行為の平成21~27年度の統計データです。

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SP用のグラフは↓です

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ストーカー行為のTOP3は、1位 つきまとい・待ち伏せ、2位 面会・交際の要求、3位 無言電話・連続電話・メールとなっています。
平成26年度に3位の無言電話・連続電話・メールのストーカー行為が伸びているのは、平成25年7月に施行された電子メールの規制強化の影響でしょう。

ストーカー被害者・加害者の関係と動機から見えてくるもの

今までのデータを、別の視点からまとめてみたのが下のグラフです。ストーカーの加害者と被害者の人間関係と、ストーカー行為の動機をプロットした平成21~27年度の統計データとなります。

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・(A)青い棒線:ストーカー被害者と加害者の関係で復縁的ストーカー(※)に該当

・(B)グレーの棒線:ストーカー行為の動機が好意 or 好意が満たされない怨恨に該当

・(C)茶色い折れ線:(B)動機で好意に該当-(A)復縁的ストーカーの差分

※復縁的ストーカー:加害者が交際相手(元交際相手含む)・配偶者(内縁・元含む)に該当

SP用のグラフは↓です

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注目してもらいたいポイントは、(C)茶色い折れ線が年々増加傾向にあるということでしょう。つまりストーカー行為を行う動機は好意に端を発していることは変わらないのですが、平成24年度以降、復縁的ストーカー以外のストーカー比率が増えてきているということです。これらのストーカー(復縁的ストーカー以外のストーカー)を、ここでは薄縁的ストーカーと呼ぶことにします。

ここで押さえるべきポイントは、復縁的ストーカーが減り、薄縁的ストーカーが増えているということです

3種のストーカーについての整理

この問題(薄縁的ストーカー増加)を考えるにあたって、再度ストーカーの定義を考えてみたいと思います。

個人的には、ストーカーには3種類存在すると考えています。前述した復縁的ストーカー薄縁的ストーカー、そして無縁的ストーカーです。下の表は、縁の有無・強さで分類したものです。

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復縁的ストーカーについて

復縁的ストーカーの定義:
一度、被害者と交際・同居・結婚などの深い人間関係となったことがあり現在の関係を維持もしくは過去の関係を修復するために、被害者が嫌がっているにも関わらず、ストーカー行為を繰り返す加害者のこと

下のグラフは、平成21~27年度の復縁的ストーカー数の統計データです。

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SP用のグラフは↓です

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平成24年度の61.8%をピークに、25年度以降は減少傾向に転じ、平成27年度では57.3%となっています。

なんといっても復縁的ストーカーの特徴は、とにかく一度被害者と深い人間関係になっているです。

そして、元カノとよりを戻すであったり、現在交際中の彼女と別れないように過度に干渉するなどの行為に出るわけですが、ポイント相手(被害者)が嫌がっているということです。

というのも相手が嫌がっていない場合少々、束縛が強い彼氏(旦那)ということでしかなく、ストーカー事案にはならないからです。

復縁的ストーカーが厄介な理由

復縁的ストーカーは、一度は自分の好意を相手(被害者)に肯定的に受け止めてもらった過去(実績・事実)があります。少なくとも付き合ったり・同居したり・結婚したりしているわけですから。
また、もしかしたら相手(被害者)の方から、加害者に好意を寄せて交際・同居・結婚などの人間関係に発展したというパターンも十分あり得ます。

ですので、この実績を男性は心の拠り所にして、加害者が相手(被害者)の現在の気持ちを考えず、一方的な好意にもとづき復縁(別れを防止するも含め)を目的に、被害者が嫌がる行為をしてしまうというわけです。

男性の気持ちはわからなくもないのですが、当事者の女性としては非常に迷惑です。加害者・被害者の共通の知り合いがいることも多く、外部の人間が加害者の言い分を信じ、よりを戻すように加害者に加勢することも珍しくありません。また、被害者のディープな情報(実家の住所・連絡先)も相手に知られていることも珍しくなく、非常に気をつけて対処する必要があります

薄縁的ストーカーについて

薄縁的ストーカーの定義:
被害者と加害者は現在・過去いずれの時点においても、交際・同居・結婚といった人間関係になったことはない。また、加害者と被害者の間に何らかの縁(人間関係)は存在しているものの、被害者が嫌がっているにも関わらず、ストーカー行為を繰り返す加害者のこと

下のグラフは、平成21~27年度の薄縁的ストーカーの統計データになります。

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SP用のグラフは↓です

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平成24年度以降、一際増えているのが薄縁的ストーカー達です。とりわけ友人・知人勤務先同僚・職場関係者の伸びが顕著ですが、看護師ストーカーも含まれるその他も伸びています

薄縁的ストーカーですが、被害者・加害者間で人間関係(縁)は存在するが、復縁的ストーカーと決定的に違うのは、被害者と加害者は一度も深い人間関係(交際・同居・結婚)になったことがないところでしょう。

薄縁的ストーカーが厄介な理由

加害者が友人・知人や勤務先同僚・職場関係者の場合、被害者が嫌がっていることの意思表示が難しいといった問題があります。特に職場の同僚の場合、毎日仕事で顔を合わすこともあり、意思表示の仕方によっては、その後仕事がやりづらくなることも考えられます。

また、リアルと密着した人間関係であるがゆえに、必然的に会う機会が多いといった問題もあり、どのように対処すればいいのか迷っている人も多いでしょう。

無縁的ストーカーについて

無縁的ストーカーの定義:
加害者は被害者と人間関係(縁)が存在していると思っている可能性があるが被害者は加害者との人間関係(縁)を認識していない。そのためどこの誰かわからない加害者によって被害者が嫌がっているにも関わらず、ストーカー行為が行われている状態

下のグラフは、平成21~27年度の無縁的ストーカーの統計データになります。

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SP用のグラフは↓です

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こちらは平成21年度以降、行為者不明が大きく数を減らしたこともあり、全体的に減少傾向を示しています。

無縁的ストーカーが厄介な理由

いわゆる映画・漫画・ドラマの題材となるストーカーは、この無縁的ストーカー1択です。
そして、この無縁的ストーカーが厄介な理由は、相手の正体がわからないところにあります。相手がわかれば、ストーカー行為に及ぶ理由というのは、なんとなく推測がつくところがあります。ただ、どこの誰ともわからぬ人間に、なぜストーキングされているかまったく理由がわからない。それは本当に得体の知れない恐怖を味わうことになるでしょう。

ストーカー犯罪が減らない理由

今まで色々とストーカー犯罪のトレンド、どのような人間関係・どのような動機に基づき、どのようなストーカー行為が行われるかについて見てきました。

ストーカー犯罪が増えている理由として、ストーカー加害者が犯罪を犯しているつもりはまったくないというのがあるでしょう。殺人や傷害といった犯罪は、加害者自身にも犯罪を犯している(これはいけないことをしている)自覚が必ずあります。ストーカーの問題は、被害者が嫌がっているか・否かが合法・非合法の線引きになります。

そうなのです。今は大丈夫でも、たとえ今はストーカーの被害者の側にいたとしても、いつ自分が意図せずに加害者の側に回ってしまうことも可能性として十分あり得るのです。

人間関係・コミュニケーションというのは、決して一人では成立しません。相手がいて初めて成立するものです。
その前提に立ち、コミュニケーションを取る際には、自分の一人よがりになっていないか、相手が嫌がっていないかという視点を常に持つようにする。また、不要なストーカー被害に合わない為にも、気がないのに気のあるそぶりをするなど、相手を勘違いさせるような態度は極力取らないようにする必要もあるかもしれません。