看護師の悩み・転職まとめ

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大口病院の連続殺人事件で明るみに出た、看護師のパワハラ問題について

大口病院の事件とは

連日ニュースで報道されているので、今さらな感の漂う大口病院の点滴混入殺人事件ですが、これは絶対にあってはならない事件と思っています。看護師さんの立場から、あらためてこの事件を振り返ってみたいと考えています。

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続編の記事は↓です。

nurse-matome.hateblo.jp

大口病院の殺人事件の概要

   横浜市神奈川区の大口病院に入院していた八巻信雄さん(88)が点滴に界面活性剤を混入されて中毒死した事件で、同室の入院患者の西川惣蔵さん(88)も同様に殺害されたことが分かった。

   西川さんが死亡したのは八巻さんが死亡した2日前の18日(2016年9月)で、体内から八巻さんと同じ界面活性剤の成分が検出された。4階のナースステーションに置かれていた点滴と同じとみられている。18日と20日には別の80代の男性と90代の女性も死亡していたが、2人は司法解剖で病死と診断された。

引用元:http://www.j-cast.com/tv/2016/09/26278913.html

 事件の発端は、八巻信雄さんと西川惣蔵さんが点滴に界面活性剤を混入された中毒死です。その後、マスコミ・警察の調査が進むにつれ、大口病院の4階では色々とトラブルが多発していたことがわかり、さらには2016年7月~9月の間に48人もの患者さんが立て続けに亡くなっていたことが明らかになります。

犯人像として浮かび上がるのは看護師

事件当初は外部の人間の犯行という線でも調べていたみたいですが、点滴に異物を混入させる手口など、ある程度医療に通じた内部犯の線が次第に有力視されていきます。
また、下の産経ニュースの図がわかりやすのですが、17日午前中に運び込まれた点滴袋は4階のナースステーションで保管されていたこと、犯人は点滴袋を業務上扱っていてもなんら不自然ではない人間、すなわち看護師の可能性が高いのではないかと言われています。

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引用元:http://www.sankei.com/images/news/161001/afr1610010024-p1.jpg

犯行に使われた点滴が搬入された9月17日は、通常より看護師の勤務人数が少なかったことが、捜査関係者への取材で分かった。内部の勤務実態に詳しい人物が、人目に付きにくい日を狙って点滴に異物を混入した疑いがある。注射器を使ったとみられる混入手段などから、医療の知識を備えているとみられるが、物証が乏しく容疑者の絞り込みは難航している。

事件は9月23日午後、八巻信雄さん(88)の死因が界面活性剤による中毒死だったと神奈川県警が発表して露見した。八巻さんの死後、泡立った点滴を不審に思った看護師が病院側に相談したのが端緒だった。

引用元:http://www.sankei.com/affairs/news/161001/afr1610010024-n1.html

点滴に混入されたとみられるのは、院内で日常的に使用されている消毒液「ヂアミトール」。八巻さんらに投与された点滴のゴム栓部分には、注射器のようなもので穴が開けられていたとみられる。

引用元:http://www.sankei.com/affairs/news/161001/afr1610010024-n2.html

一方、八巻さんらは最後に点滴が交換されてから5~8時間後に容体が悪化した。滴下の速度を調整した可能性があり、捜査関係者は「素人の芸当ではない」と指摘する。

八巻さんらに投与された点滴は4階のナースステーションで保管されていたが未使用分の約10袋にも穴が確認された。点滴治療が必要な患者を無差別に狙った疑いがあり、恨みなど動機による容疑者の特定は難しい。

引用元:http://www.sankei.com/affairs/news/161001/afr1610010024-n3.html

大口病院の看護師から見ても4階は「呪われている」

大口病院は病床数が85、事件の舞台となった4階(40人収容可能)のベッド数から考えて、終末期医療の現場とはいえ頻度的に不自然な感は否めません。実際、病院に勤めている看護師さんも「(4階は)結構立て続けに亡くなっているので、珍しいですね」と発言していることからも、明らかに不可解なことが起きているのでしょう。

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引用元:http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00337338.html

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引用元:http://www.homemate-research-clinic.com/dtl/10000000000000038370/

9月23日以降はぱったりと(4階の)死亡者が減る

また、朝日新聞の記事によると事件後の9月23日以降は亡くなる人が目立って減っているとのことで、もしこの事件が注目を浴びなかったら、今も殺人が続いていたかもしれない・・・そう考えるとぞっとします。

病院関係者によると、病床数は85で、2~3階にも入院患者がいる。最大で約40人を収容できる4階では7月以降、9月20日までに48人が死亡。1日に 4~5人が亡くなることもあったが、県警によると、事件が明らかになった23日以降は亡くなる人は目立って減っているという。

引用元:http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y2V20J9YULOB001.html

大口病院で相次ぐトラブルと内部告発

大口病院の4階では、殺人事件以前にも、色々とトラブルが発生していたようです。

4月 看護師の筆箱に注射針が刺さっていた
看護師のエプロンが切り裂かれていた
6月 医師の机から患者のカルテが紛失
8月 看護師のペットボトルに入っていた飲み物に漂白剤らしき異物が混入。
調べたところ、上部に注射針程度の穴が開いていた

特に8月の異物混入事件については、8月12日にFUSHICHOUさんという方がTwitter上で具体的な警告を発していました。

 またFUSHICHOUさんは、横浜市健康福祉局医療安全課にも、8月12日のTweetの内容を通報してくれていました。

内部告発に関しては、業務上の守秘義務・倫理的な問題から、その是非の判断は非常に難しいと思います。ただ今回の一件に関しては人命がかかっているので、FUSHICHOUさんの勇気ある行動は社会的にも正しい行いだったと思います。告発があったタイミングで行政が適切に動いてくれたのなら、この大量殺人事件を未然に防げたのではないかと思うと残念でなりません。

大口病院の隠蔽体質と危機管理について

これだけ大口病院内で問題が発生していることに加え、横浜市から病院側への注意があったとのことですが・・・もし横浜市から病院側に注意があったとして、大口病院内部で風評被害を恐れて隠蔽していたとしたら、これはあまりにも情けないことです。

「一連のトラブルについて、ある男性が横浜市に告発メールを送っていたが、この男性は4階ナースステーションの看護師の夫。エプロンを切り裂かれた被害者で、彼は妻から相談を受けて通報したようだ」(前出・捜査関係者)

告発を受けて、とうとう大口病院が神奈川県警に相談。9月2日には市が定期立ち入り検査でトラブル再発防止を病院側に指示したものの、“犯人”はわからず仕舞いだった。病院関係者が明かす。

引用元:http://news.livedoor.com/article/detail/12096378/

7月上旬にはトラブルの発生を告げるメールが横浜市に届いており、市の医療安全課で事実確認をしたうえで病院側に口頭で注意したという。しかし、病院側は 風評被害を恐れてか警察への通報はしなかった。高橋院長は「院内の出来事で、まして看護師の中の出来事だったので院内で何とか処理すべきだと思った」とい う。

そして隠蔽自体、確かに良くないことだとは思いますが、気になるのは4月から8月にかけて一連のトラブルを「看護師内の出来事」として片付けてしまっていることです。

大口病院ではパワハラが行われていた?

大口病院では看護師へのパワハラが行われていた可能性も浮上しています。8月にペットボトルに異物が混入していた事件の被害者の看護師さんは、事件後、警察に相談に行っているようです。その際、「病院から嫌がらせを受けている」「病院の上層部に差別された」と訴えていたそうです。

8月のペットボトルの被害者の女性看護師は、その頃に神奈川署に相談に行って、病院から嫌がらせを受けている、病院の上層部に差別されたと訴えていて、現在は有休を取って休んでいるという。

4月のエプロン切り裂き・注射針が筆箱に刺さっていた事件は、誰が見てもいじめ・嫌がらせですし、6月のカルテ紛失(意図的に持ち去ったのなら)・8月のペットボトル異物混入事件は、(看護師さんが異臭に気付いて助かったとはいえ)完全に犯罪行為です。

殺人事件の犯人が、これら一連の行為の犯人と同一人物とは限りませんが、少なくとも、病院内(特に4階)で・パワハラ・いじめが行われていた可能性が非常に高いのです。

「看護師間にあったトラブルは、院内人事が原因だったと見られています。ある看護師は“勤務評価に依怙贔屓がある”と不満をぶちまけ、“私は差別されている”“あの子は点数稼ぎばかりしている”などの言い争いも起きていた」

引用元:http://news.livedoor.com/article/detail/12096378/

別の情報源からも、大口病院の4階の看護師の人間関係はよくなかったとの情報もありますし、4月~8月の事件発生から想像するに複雑な人間関係が背後にあったのではと思えてなりません。

管理者側に求められる再発防止への取り組み

病院の管理者は事件が起きるよりも前の段階で、このようなパワハラ・いじめのような犯罪行為が本当に発生していたのかの事実検証発生していたならなぜ発生したのかの原因分析今後再発しないための措置を講じる必要があったと思います。

※横浜市の注意のタイミングなど、事件が起こる前になんとかするチャンスはいくつもあったはずです

それらすべてを病院内部で出来ないのなら、警察という公的な外部の力を利用すべきだったのです。なぜなら、このような陰湿なイジメ・犯罪が看護師内で行われていた場合、患者さんのケアの質の低下へとつながるからです。そして、今回は殺人事件という一番最悪の結果になってしまいました。

何よりも病院側は患者さん自身と、病院を信じて患者さんを預けて頂いたご家族の方に対し、病院はその監督責任を果たさなければならないのです。

大口病院には問題児の看護師が集まっていた?

今回の事件の舞台の大口病院ですが、在籍する看護師さんの質が悪かったという噂があります。

大口病院としても、看護配置をクリアするために看護師資格を持っていればいい・・・そんな基準で採用していた可能性があります。そして、他の病院で何らかの問題を起こした看護師さんが転職してくるような病院だったとしたら・・・陰湿なイジメが行われるのも無理がないのかもしれません。

これまで事件の真相については闇の中だったのですが、大口病院についてこんな情報がありました。 それは、大口病院はいわゆる問題職員が集まる病院だった可能性があるということ。 つまり、他の病院で何らかの問題を起こした職員は大口病院に移る(転職してくる)と、病院関係者の間で噂になっていたというのです。

まぁ、大口病院の外観を見ても、若い看護師が積極的に働きたいと思う病院かと聞かれれば、特に理由がない限り大口病院は選ばないかもしれません…。  大病院では慢性的な人員不足に陥ることもあるので、とりあえず資格があれば採用するところがあっても不思議ではないですし、殺人行為を行いながら、自首 せずに平然と日常生活を送っている犯人が病院内部にいるとするならば、その人間性を見抜くのも難しいとも考えられます。

引用元:http://arcanaslayerland.com/2016/09/30/ooguchi-hospital-crime-2/

勿論、上記の話はあくまで噂の域を出ませんし、大口病院に勤めていたすべての看護師さんの質が悪いとは思いません。また、質が悪い看護師さんというのは全体のごく一部だったのだと思います。

しかし、このような看護師内の犯罪行為(イジメの域を超えています)が病院内で多発していた事実・殺人事件にまで発展した経緯(兆しを知ってから、事件になるのを止められなかった)を鑑みると、あながち嘘とは思えないのです。

犯人が誰であれ、動機が何であれ、このようなことは二度と起こしてはならないと思います。看護師の人間関係が悪いこと(イジメ・パワハラが行われていた)が、即このような事件に発展するわけではありません。でも、もしパワハラ・いじめなどがない(あっても、もう少し軽度な)職場であったなら、ここまでの大惨事にはならなかったのではないか・・・そのように思えてならないのです。

一刻も早く犯人が捕まり、二度とこのような悲惨な事件が繰り返されないようにと心から願っています。

最後に:転職支援会社に望むこと

個人的にも看護師の人材紹介会社の人とは交流があるので、皆さんが看護師さんの希望を叶えるために一生懸命求人を探してきて、看護師さんに紹介していることはよく知っています。

気になるのは「人材紹介会社が、今回の大口病院のような施設を、看護師さんに勧めてしまっていないか」という一点です。というのも、人材紹介会社は施設の内部事情に精通していることをウリにしているところがほとんどで、本当に内部事情を知っていたとしたら、今回の大口病院のような施設を看護師さんに勧めることはできませんよね・・・。

大口病院(公式HPの病院概要より)

名称 特定医療法人財団 慈啓会 大口病院
診療科目 内科、整形外科、小児科、リハビリテーション科
病床数 85床 (一般42床、療養43床)
休診日 木、日、祝日、年末年始(12/30~1/3)
院長 髙橋 洋一
住所 〒221-0002 神奈川県横浜市神奈川区大口通130
交通アクセス JR横浜線「大口駅」西口徒歩3分
TEL・FAX TEL.045-402-3333
FAX.045-402-3337
ホームページ http://www.jikei-o.or.jp/ooguchi

大口病院の求人情報

これは看護rooの大口病院の求人ページの2016/9/15時点のキャッシュです。

※現在、このページは削除されているので、看護rooさんはしっかり求人を管理されているようです。
 また、看護rooの求人情報の内容が一番充実しているという理由のみで、キャプチャを掲載しています。
 看護roo以外にも、ナース人材バンク・看護プロ・カンゴワークスの各社(おそらくこれ以外にも取り扱っている紹介会社はあります)で大口病院の求人を扱っています。

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看護rooの大口病院の求人内容を見ると、駅近給与水準も悪くなく年間休日も120日以上24時間託児所完備子供の発熱時には(系列の)大口東総合病院まで診察に連れて行ってくれるなど、本当にママさんナースに至れり尽くせりの好条件です。

そうなのです。求人内容を見るだけでは、ママさんナースが子育てと仕事の両立できるよう全力でバックアップする非常に優良病院の求人のように見えてしまうのです。

もし人材紹介会社が介在する価値の一つとして、施設の内情に詳しいその施設の退職者から、求人票からは知ることができない内部情報を入手している)ことを強みとするのなら・・・給与などの条件だけで、看護師さんに勧めてしまっていいのでしょうか。
もっと人材紹介会社は看護師さんのために、施設の内情の把握に努めるべきなのではないでしょうか。そして、それこそが人材紹介会社が、看護師さんに提供できる最大の価値の一つではないでしょうか

人材紹介会社に求められる誠実さ

最近、看護師さんから紹介会社で嫌な目にあったと相談をもらうことが多くなっています(※)。決定(採用され)しなさそうな看護師さんを雑に扱ったり、希望していない施設を強引に勧められたり、看護師さんの都合を無視し一方的に連絡してくるといったことに始まり、極めつけは「紹介会社のコンサルタントから事前に聞いていた話と(入職したら全然)違った」というものです。

※オススメの紹介会社があったら教えてほしいもよく言われます。個人的に人材紹介会社の利用は、積極的にオススメしないスタンスです。ただ、利用方法次第かなと思うので、今度記事にしようとは思います。

人材紹介会社で嫌な目にあった看護師さんは、そのことを決して忘れません。そして、もう一度転職しようと思った時、その人材紹介会社を使うことはないでしょう。
紹介会社の営業の皆さんも、売り上げの目標やノルマで大変だと思いますが、看護師さんの立場にたって、もし自分が看護師ならこの施設に行きたいと思えるようなずっとそこで働き続けたいと思える(定着できる)素敵な職場を、看護師さんに紹介してもらえればと思います

続編の記事は↓です。

nurse-matome.hateblo.jp